トップ > 認知症と介護
認知症とは
もともとあった知能が異常に低下すること
通常できていた仕事や日常生活ができなくなる
物忘れは単なる老化 ⇔ ボケ(痴呆、認知症)は病気
日本には約160万人(8世帯に一人の割合で)いると言われ,高齢化に伴い増加することが予想されている
現在,日本ではアルツハイマー病が最も多く、次に多発性脳梗塞による血管性痴呆が多い
症状は加齢とともに,どんどん進行性(悪化)に経過する

認知症の特徴
中核症状
① 記憶障害(言ったことや聞いたことを忘れる,食事をしたことを忘れる,昔に戻っている)
②見当識障害(日時や状況判断ができない)
③判断・思考力の低下(正確な判断ができない、間違ったことをしてしまう)
④理解・学習能力の低下(状況の理解ができない、同じ間違いをしてしまう)
⑤計算力の低下(お金の計算などができなくなる)など
随伴症状
せん妄(物を盗られた,夜中に騒ぐなど),うつ状態(やる気がなくなる,表情が乏しくなるなど),睡眠障害(不眠や昼夜逆転;昼間うとうと,夜に元気になるなど)

認知症の初期症状
・同じ事を言ったり聞いたりする
・物の名前が出てこない
・置忘れやしまい忘れが目立ってきた
・関心ごとや興味が失われてきた
・日課をしなくなり,だらしなくなってきた
・時間や場所の感覚が不確実になってきた
・おつりや計算の間違えが目立ってきた
・財布や物を盗まれたと言うことが多くなった
・些細なことで怒りっぽくなってきた
・蛇口やガス栓の締め忘れをするようになってきた
・迷子になることがあった

認知症をきたす疾患
1.皮質性痴呆:①アルツハイマー型痴呆 ②ピック病,など
2.皮質下性痴呆:①進行性核上性麻痺 ②ハンチントン舞踏病 ③パーキンソン病の一部,など
3.血管性痴呆:①脳梗塞後の痴呆 ②ビンスワンガー病
4.脳代謝性痴呆(全身疾患や内分泌障害に伴う脳症)
5.その他:①慢性硬膜下血腫 ②正常圧水頭症 ③脳腫瘍など

治療できる認知症
①甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの異常)・・・意欲の低下が強い
②ウエルニッケ脳症(ビタミンB1欠乏症)・・・お酒の多飲や偏食など 、脚気を伴う
③ペラグラ(ニコチン酸欠乏症)・・・皮膚炎や下痢を伴う
④ビタミンB12欠乏症・・・偏食や胃の手術の後など
⑤うつ病(うつ状態)・・・中高年の女性に多い,仮性痴呆,脳梗塞後遺症性うつ
⑥慢性硬膜下血腫・・・麻痺や歩行障害を伴うことが多い
⑦正常圧水頭症・・・同上
⑧脳腫瘍・・・同上,頭痛を伴うことが多い,など

※うつ病(うつ状態)や上記内科疾患による痴呆症状はけして少なくはない事に注意
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アルツハイマー型認知症について
40〜50歳代以降に記名力障害で発症することが多く,徐々に学習障害や見当識障害が出現する 。基本的には非遺伝性で、最も認知症の原因疾患として多い。脳細胞内のβアミロイド蛋白の蓄積により,脳細胞の変性が引き起こされると考えられている。
自覚はないことが多く,人格は保たれニコニコしている人が多い。症状は極めて緩徐進行性に経過し,病状の進行に伴い,迷子や火や水の不始末,周囲に無関心,無頓着になり,やがて日常生活を維持できなくなる。
アルツハイマー病(AD)の画像(MRI T2強調画像,水平断)
アルツハイマー病では早期から両側の海馬の萎縮がみられ,それに伴い側脳室下角の拡大がみられる(矢印).また,見た目の変化は少ないが頭頂葉側頭葉後頭葉連合野(丸印)の機能低下も早期から見られる。
脳血流シンチグラフィー/SPECT(IMP)
脳の働きを見る脳血流シンチ検査では,萎縮した両側海馬の血流低下(下段)と連合や(上段)の著明な血流低下を認め,同部位の脳機能の低下が疑われる。
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血管性認知症について
ビンスワンガー型白質脳症(脳軟化)が最も多く,脳梗塞後遺症では,主幹動脈狭窄(特に左半球)に伴う脳梗塞後におこるものが多い
俗に“まだら痴呆”の病状を呈する
痴呆の他に,随伴症状として歩行障害やパーキンソンニズム,尿便失禁や感情失禁を伴うことが多い
脳血管障害の危険因子(高血圧,糖尿病,高脂血症,喫煙など)を伴うことが多い。
血管性痴呆(VaD)の画像(MRI FLAIR画像,水平断)
脳の虚血によって引き起こされた,脳梗塞巣が深部白質に広範に白く描出されている(右図).大脳は全体的に萎縮傾向にあるが,海馬は比較的保たれている。
脳血流シンチグラフィー/SPECT(IMP)
脳血流シンチ検査では,アルツハイマー病とは異なり,全体的にまだら状に脳血流が低下していることがわかる。
ADとVaDのPET(FDG-PET)
PET (Positron emission tomography)で脳内のブドウ糖(Glucose)代謝を見ると,アルツハイマー病では連合野に明瞭な代謝低下が見られる(図左).一方,血管性痴呆では血管支配に限局した血流低下(右中大脳動脈領域)やまだら状の代謝低下が見られる。(平成21年6月現在,保険適応外)
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認知症かな?と思ったら
1.簡単な質問(日時や場所,年齢や,計算など)をいくつかしてみる
2.以前の生活と比べて,行動や言動に異常な変化がないか注意して観察してみる
3.職場での仕事がきちんとできているか,同僚に聞いてみる

認知症の治療について
①アルツハイマー病:アリセプト、レミニール(平成23年5月より承認)、メマンチン(平成23年6月より承認)、マルチビタミン(ビタミンB群+葉酸)
②血管性認知症:血圧管理,抗血小板剤(チクロピジン,アスピリンなど)の投与.うつ症状などに対してSSRIなど
。その他,随伴症状(精神症状など)には対症的な治療
③治せる認知症に関しては早期診断・早期治療が大切

家族の接し方のポイント
①自尊心を傷つけない
②昔話を聞いてあげる
③食事や睡眠など規則正しい生活を心がける
④食事や水分摂取は十分に
⑤下痢や便秘に注意!排泄に気を使ってあげる
※かかりつけ主治医をきちんと決め,いろいろ相談しアドバイスを受ける

問題行動を起こしたら
①物忘れ・・・・話題を変え忘れることを利用する
②妄想(物取られ妄想、被害妄想など)・・・・感情を共有して味方になってあげる
③見当識障害(状況判断の低下)・・同じ立場になり不安を取り除く
④人物誤認(家族の顔がわからなくなる)・・・否定しないでまず受け入れる
⑤徘徊(夜中に歩き回る)・・・・ネットワークをつくる
⑥幻覚(変なものが見える)・・・・安心感を与えてあげる
⑦性格変化(怒りっぽくなる、涙もろい)・・・冷静になって対処する
⑧問題行動(異常な行動)・・・厳しくは叱らない
⑨夜間せん妄(夜に騒ぐ、おきだす)・・規則正しい生活をさせる

介護の問題点と現状
認知症の治療においては、患者さんの疾患の治療は限られており、その他“メンタル的なケアや体調管理”が重要となります。同時に介護するご家族の苦労も日増しに強くなること、しっかりしていた親が壊れていく姿を受け入れられない子供の気持ちや、嫁にばかり押し付ける古き悪しき日本の風潮などもあって、“介護者へのメンタルケア”も大切になります。
しかしながら、医療の面において難病や認知症に対するカウンセラーはほとんどいません。認知症は老化現象でうから、その多くはどうがんばっても完全には止められません。
患者さんが最後まで人間らしく、誇りを失わずに1日でも長く、元気に笑顔で過ごしていけるよう、家族と医療側が相談・協力しながら対応していくことが望まれます。

介護保険も十分とはいいがたいですが・・・介護関係のスタッフは本当にがんばってくれています。どんどん介護を利用し、そして、家族みんなで“老い”を受け入れ、理解し、最後までよりよい人生が送れるようにサポートしてあげられたらいいですね。
介護上の心構え
慢性的な頭痛について悩んでおられる方はご相談ください。相談の上での、詳しい注意事項は頭痛の相談コーナーをお読みください。
物忘れとど忘れは違います。心配な方はまずご相談ください。
尚、精神科にかかりつけの方や専門医で治療中の方は、主治医とよく相談されてから相談ください。
こちらよりメールにてご相談ください。
※携帯メールをご利用の方は、パソコンからのメール拒否設定を解除してからお送りください。
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